健治郎会長が語る、「昔の話、まあ聞いちょ」(2003.6.25連載開始)
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その25【極楽のあまり風】(2007.8.15)
 小学1〜2の夏のはなし。
 私の家では毎朝の朝飯は茶がゆに、夏は茄子の浅漬けときまっていました。現在のようにパンにコーヒー、そしてウインナーかハム、それにフルーツジュースてな家庭は、佐野ではまずありません。殆ど一般の家庭では、朝はご飯に茶がゆを掛けて、水茄子や胡瓜の浅漬けで食べるのが習わしでした。
 有る夏の朝、朝飯が終われば、毎朝天気の良い日には、祖母に連れられて近所の、家と家との間の狭い露地の日影に床几を置いて、朝飯のあとの一時を過ごしていました。それは床几の上に寝ころがるか、または祖母の膝を枕にして寝ころんでいる事が毎日だった。学校が夏休みに入ってからは、路地の床几まで夏休みの宿題の「夏休みの友」を提げてきて、寝ころびながら鉛筆をなめながら宿題をしているかだった。

 ほんとうに気持ちのよい朝のひととき。朝飯の後で腹が一杯になった後の事で宿題をしていても、まぶたがゆっくりと閉じてくる。今まで風一つ無かった露地の床几の上を、一筋のす〜と涼しい風が肌をなでて流れて行く。あー気持ちが良い。思わず両手を思いっきり上げ伸びをしたくなる。
 人や科学力では出来ない涼しさに、いままで団扇を右手で左右に動かしていた祖母が一言。「極楽のあまり風、吹いてきたー」と、小さい声でつぶやいて、そして後はすやすやと眠っていた。
 その後も極楽のあまり風が、時おり露地を通っていった。幼いころの真夏の朝のひととき。

酷暑につき、今回は短めで、スンマヘン。
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吉野 健治郎
k-yosino@rinku.or.jp